私は妊娠12週のときに血液検査 (NIPT)+エコー検査(NT scan)とキャリアスクリーニングという出生前診断を受けました。その際、医療保険を使って受けたのですが、その請求額をみてびっくり!
あまりに高額すぎたので、検査を行った会社に電話して交渉することにったときのことについて書きます。
- 出生前診断とは何ですか?どのような情報を提供してくれますか?
- 出生前診断の費用はいくらですか?保険は適用されますか?
- 保険が適用される場合、どの種類の保険が対象ですか?保険会社によって異なるのでしょうか?
- 出生前診断の費用には、検査の種類や範囲によって差がありますか?
といった疑問に答えます!
私が受けた新型出生前診断とキャリアスクリーニング
私が受けた2つの検査は
- エコー検査(NT scan)+血液検査を使う出生前診断
- 遺伝性の疾患の保因者かどうかは調べるキャリアスクリーニング
で、これらのテストは複数の検査会社から違う商品名で発売されています。
私が使ったのはNatera社というところのPanorama(新型出生前診断)と同社のHorizon(キャリアスクリーニング)という商品です。
その他、よく使われる新型出生前診断の商品としてはDynacare社のHarmony、Illumina社のVerifiなどがあります。
新型出生前診断
私が通っていた産婦人科では任意の検査ということでしたが、出生前診断はアメリカで広く受けられている検査です。
新型出生前診断は主に染色体の異常(通常、2本ある染色体が3本ある)について調べる検査で、
- 21トリソミー(ダウン症候群)
- 18トリソミー(エドワーズ症候群)
- 13トリソミー(パト―症候群)
の障害を持つ可能性について知ることができます。説明を受けたときに医師から、「この検査は胎児の障害を診断するものではない」ということについて念を押されました。
スクリーニング検査では、偽陽性といって「本当は陽性ではないけれど、陽性の判定が出てしまう」可能性があるからです。
もし、このスクリーニング検査で陽性となった場合は、羊水を採取して詳しく調べて実際に胎児に障害があるかどうかを調べます。
また、スクリーニング検査で陽性になっても、この羊水検査を受けないという選択もできます。
出生前診断はいつ受ける?
一番早いものだと妊娠10周目以降受けることができます。私は12週のときに受けました。
この新型出生前診断は、アメリカではほとんどの妊婦が受けることを選択する検査で、検査を受けるかどうか聞きに来た看護師の方も
「出生前診断は受けても受けなくてもいいけど、受けるよね?」
のように受けるのが当然かのような聞き方で聞かれました。
出生前診断では性別も調べることができる
この検査では、その他に性染色体を調べて性別を知ることができます。
ただ、もし性別を知りたくない場合は性別の検査結果を除いた結果のみを教えてもらうこともできます。
私が通っていたクリニックでは性別の知らせ方も複数通り選べて
- 医師から検査結果について電話がかかってきたときに、口頭で教えてもらう
- 次の健診に来たときに医師から直接教えてもらう
- 封筒に入れてもらった性別が書かれたメモをもらう(夫婦で同時に見たいときはこちらを選択)
などを選ぶことができました。
私は検査結果の電話があったときに医師から口頭で伝えてもらいました。
医師の方も電話がかかってきたとき口頭でもう一度「性別をいま知りたいですか?」と確認してもらえました。
キャリアスクリーニング
キャリアスクリーニングは遺伝性の障害の保因者かどうかを調べるための検査で、一度受けたら次の妊娠のときは受けなくても良いと言われました。
もし、検査で陽性(自分が保因者であるという結果)が出た場合も、
子の父親も同じテストを受けて父母両方が保因者なのか、母親のみが保因者なのか調べることになると説明されました。
結果はどのくらいで届く?
私は産婦人科での健診のあとに、となりの建物にある各種検査をする場所で血液採取をしました(試験管8本分)。
結果は、担当の産婦人科医の先生から10日後に電話でかかってきました。
電話があったあと、Natera社のポータルサイトでPDF版の検査結果をダウンロードできるようになりました。結果のダウンロードも性別情報が載っているものと載っていないものを選ぶことができました。
後日届いた高額請求に驚愕
出生前診断・キャリアスクリーニングの費用
Natera社が出すこの費用についてのガイドによると、年間の最大自己負担額(Deductible/ディダクティブル)を超えている場合は平均で249ドル以下となっているそうです。ちなみに日本で同様の検査を受けると10から20万円程度かかるそう。
この最大自己負担額(Deductible/ディダクティブル)は、契約内容によって額が違います。大体の場合、たとえば「年間1000ドル」というように決まっており、その額に達するまでは自費で払い続けます。
1月から積算した医療費が決められた年間1000ドルに達すると、それ以降の医療費は保険会社が一部または全額を負担してくれるようになります。
アメリカの保険システムは、複雑なので早めにご自身の契約内容をよく確認することをおすすめします。
ちなみに私はこの最大自己負担額のシステムをよく理解していなかったので、支払いの際にめちゃめちゃびっくりすることになります…。
後日届いた高額請求
後日、保険会社の支払い額を差し引いた自己負担額についてのお知らせが届きました。
私の保険プランでは、出生前診断(NIPT)は98ドルでした。しかし、問題はもうひとつのキャリアスクリーニング…。
このキャリアスクリーニングで驚愕の保険適用前の請求額が!保険を使う前の請求額が$10,000超え…。
この請求額から保険から支払われる額を差し引きして、私が払わなければならないのは$924.62(約10万円)という請求が!!
※これは私が入っている保険での請求額なので、すべての人に当てはまるわけではありません
高すぎィィ!!!!
そんな値段になるなんて聞いてません!!
他にも同様の体験をしている人を発見
予想外の高額請求に慌ててネットで調べると同じような経験をした人の体験談が載っていました。
私が高額請求を受けたのはキャリアスクリーニングの方だったのですが、新型出生前診断の方で高額請求が来た人もたくさんいるみたいでした…
体験談1
保険会社に請求された額が14000ドルで、保険がカバーする額を差し引いた額7000ドルの請求書が来た。
体験談2
私はまだ最大自己負担額(Deductible)に達していなくて、このNIPTの請求について他の人の体験談を事前に読んでいたので、私は最初から自腹で払うオプションにしました。
自腹で払うオプションなら250ドル払ってそれで終わりだし、保険会社とやりとりする必要もないからね。保険会社を使ったらいくら請求されるかわからないなんて、なんてロシアンルーレットなのかしら!
Natera社のウェブサイトに「支払いについて質問がある場合はこちら」という電話番号が合ったので、とりあえず電話をかけてみることに…。
他の人の体験談を読むと、保険を通さずに自分で払う(Cash option)だと250ドルで済んだという書き込みがあったのでそれを信じて電話をかけます。
保険を使わず払うと割引になるという謎システム
電話に出てくれた元気系オペレーターの人に「請求額が高すぎて払えないのですが、どうしたらいいですか?」と率直に聞いてみました。
オペレーター「保険使わないで払うなら、請求額を250ドルにできるよ!」
全然理解していなかったのですが、この会社は同じ商品を売るときでも保険会社に請求するときの価格と保険会社を使わないで自腹で払う人用に価格が別々に存在しているらしい。何そのシステム…。
そんなわけで見事、値引き交渉に成功。
とりあえず電話越しにクレジットカードを使って250ドルを支払い、この件は終了しました。
まとめ
私が受けた新型出生前診断は保険を使った場合の価格以外にも自腹で払うという選択肢があったので、最初に請求された金額よりも低い額を支払いました。
私がネットで調べた他の人の体験談だと、高額請求を受けた場合は、病院か保険会社か検査会社に連絡して値段交渉している人が多かったです。もしアメリカで出生前診断などを受ける場合は、事前に検査会社や保険会社に費用について確認することをおすすめします!