息子の二ヶ月健診に言ってきたのですが、そこで頭の形の歪みを指摘されました…。医師からはPhysiotherapy(理学療法)を勧められて、通い始めたのでそのときのことについて書きます。
- 頭の歪み(Plagiocephaly)ってどんな症状?
- 頭の歪みはどうすれば治る?
- カナダの子供用の理学療法(Physiotherapy)ってどんなことするの?
- ヘルメット治療っていつから始めるの?
疑問に答えます!
2ヶ月健診で頭の歪みを指摘される
全ての始まりは健診で診てくれたお医者さんが息子の頭をなでながら「向き癖があって頭が歪み始めているので、理学療法(Pysiotherapy)の紹介状かいておきますね〜」と発言したことでした。
向き癖についてはなんとなく認識していたのもの、頭の歪みには全く気づいていなかったので正直びっくりしました。
でも、お医者さんいわく向き癖のある赤ちゃんにはよくあることらしいです。
このときは、「歪み方はひどくないからPhysiotherapyでよくなると思いますよ〜」とのことだったので、理学療法を受けてみることに。
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頭の歪み(Plagiocephly)とは?
赤ちゃんの頭の歪みは、どんな歪みかによって「斜頭症」「短頭症」「長頭症」などの種類があります。
ヘルメット治療が必要かは、年齢や歪みの強さによって決まります。
息子の場合は、向き癖が原因の「斜頭症(Plagiocephly)」で後頭部が斜めに歪んだものでした。具体的には右をずっと向いていたので右の後頭部が斜めに平たくなってしまっていました。
頭の歪みが極度にひどくなると左右の耳の位置が違って、耳の聞こえに問題がでたり、おでこの左右どちらかが飛び出てきたりするようです。
ただ、Physiotherapistは「頭の歪みで生活に支障が出るケースはほとんどない。ほとんどの場合は、見た目問題なので治療するかどうかは親の選択による。」と言い切っていました。
カナダの理学療法(Physiotherapy)クリニック
健診の帰りにPhysiotherapyへの紹介状(処方箋)を受け取り、同じフロアにある子供専用のPhysiotherapyのクリニックによってセッションの予約をしました。
このクリニックは土曜日もあいているので、初回のセッションは土曜日にすることに。
通ったPhysiotherapyクリニック
私達が行ったのは、Kids Physio GroupのKidsPhysioというクリニックでカナダ全土にフランチャイズ展開しています。
最近新しくできたクリニックの中は、清潔感がありとてもきれい!同じフロアにはオムツ替え台がついた広ーいトイレもついていて便利です。
セラピールーム内にはフラフープやステッピングスツールなどの他に、クライミングウォールなどありとあらゆるものが揃っています。
理学療法の値段と保険がつかえるかどうか
健診でお医者さんからは「PhysiotherapyはOHIPではカバーされないけどプライベート保険でカバーされることが多いよ。」と言われていました。
このクリニックは保険会社と提携していて、保険会社に治療費を直接請求することもできるそうです。
ちなみにセッションの代金はこんな感じ。この内、どの程度の金額がカバーされるかは保険のプランによります。
予約や問診は全てオンラインで行う
このクリニックの最もすごいと思った点は、予約、問診、来院当日のCovidスクリーニングを全てオンラインで行うこと!
しかもウェブサイトがきれいで使いやすい(UX:★★★★★)!
わざわざ電話やメールを送らなくても予約や問診ができるのはありがたいです。
初めての理学療法
いよいよ初めてのセッションの日がやってきました!クリニックにつくと、同じような月齢の赤ちゃんが出てくるのが見えました。
しばらくすると担当の理学療法士(Physiotherapist)が迎えにきてくれました。
輝く笑顔
赤子の首くらいなら一捻りで折りそうなガタイの良さ イギリス英語っぽいアクセントで語尾のTがなぜかCに変わる。英語はとても聞きやすい。 |
まずは頭の歪み具合を測定
問診票を確認した後、現在の頭の歪みがどのくらいか知るためにCranial Vault Asymmetry Index (CVAI)という数値を測ります。
大きなペンチのような構造のツールと頭に印をつけるためのヘッドバンドを使って早速計測!
右と左の頭の直径を図り、その差(絶対値)を100倍して右か左の直径で割ります。詳しくはこちら。
計測の間、謎のヘッドバンドをつけられ、よくわからない顔をする息子はPhysiotherapistに「You look グレイス (great)!」とお世辞を言われていました。
計測の結果、息子のCVAIは8で頭の歪みは5段階中の3という結果になりました。
息子の頭の歪みは5段階中の3!
歪みのスケールはこんな感じ。
Repositioning programは、ストレッチや向き癖の矯正などで、Cranial Remolding Orthosisとはヘルメット治療のことです。
息子の歪み度合いへの治療はストレッチとヘルメット両方があるのですが「まだ2ヶ月だし、4ヶ月くらいまでは頭が柔らかくて歪みは治りやすいから、家でできるストレッチなどでなおしましょう!」
という方針になりました。
家でできるストレッチを教えてもらう
治療方針が決まったところで、息子の向き癖の原因として
torticollis(斜頸)
というのを教ええてもらいました。
これは、首のどちらか一方の筋肉が伸びづらくなっていることで、首が特定の方向に回転しづらくなっている状態だそう。確かに、右は簡単にむけるのに左に顔を向けるのは難しそうでした。
家でできる首の筋肉を伸ばすストレッチを教えてもらい、メールでストレッチのやり方が書かれた資料を送ってもらいました。
うつ伏せの練習の重要性を力説される
初回のセッションでは、うつぶせ寝の練習(Tummy time)がいかに大切かめちゃめちゃ説明されました。
頭の歪みを治すには、基本的に後頭部に長い時間プレッシャーがかからないように寝ている時間を減らすことが大事だそうで、そのためには何はなくともTummy timeがとても重要だそうです。
Physiotherapistいわく、このうつぶせ寝が推奨されなくなってから頭の歪みで来院するこどもが増えたそう。
それまでうつ伏せに全然したことなかったのですが、どこでもやたらとTummy timeをおすすめされます。
Physiotherapistも
「首がまだ座ってないね。首を座らせるためにはTummy timeが重要」
「Tummy timeは歩く・走る・ジャンプなど全ての動きの基礎」
ちなみに小児科医に息子の便秘について相談したときも
「便秘ね!便秘にはTummy timeするといいよ!」
という感じで、医療従事者のTummy timeへの絶大なる信頼を感じます。
本当は24時間Tummy timeするのが理想!少なくとも月齢×10分は毎日やってね! |
1ヶ月後のフォローアップで改善がみられた
家に帰った後、言われたとおりに毎日ストレッチをしたところ、1週間ほどで両側に顔を向けられるようになり、3週間ほどで首を5分以上持ち上げられるようになりました。すごい即効性を感じました!
初回の一ヶ月後にフォローアップのセッションに行ったのですが、家でのストレッチが効果あったのか、CVAIが8から5に下がっていました!歪みの強度は3から2に下がりました。
歪み度合いがだいぶ改善されたね、You did グレイス ! |
歪み度が1に下がるまでもう一ヶ月様子を見ることになり、フォローアップのセッションでは寝返りの練習のためのトレーニングを教えてもらい帰宅。
ちなみにPhysiotherapistからは、次回(4ヶ月)までに頭の形が治らなかったらヘルメット治療も検討したほうがいいとアドバイスされました。
2ヶ月で歪み度が1(問題なし)になった!
先日、2回めのフォローアップに行ったのですが、歪み度が1に下がっていました!というわけで3回のセッションでPhysiotherapyは終了できました。
毎日教えられたとおりにストレッチや筋トレをしていただけで、頭の骨はちゃんと丸くなりました!
感想
最初は正直、赤ちゃんに理学療法ってなにするのかな…?意味ないのでは…?と半信半疑でしたが、早めに行ってよかったです!
息子の首の筋肉の状態を説明してもらい家でできるストレッチなどを丁寧に指導してもらうことができました。
また担当してくれたPhysiotherapistは「なにか質問があったらメールでいつでも聞いてね!」と言っており、とても親切!
頭の歪みと同時に、体の発達に合わせた寝返り補助の方法なども教えてもらえたので、とてもためになりました。
頭の歪みは審美的な問題と言われても、親としては気になるところ。ヘルメット治療をするとなるとお金も時間もかかるので、月齢の若いうちに対策ができたことはラッキーでした!