トロントで初めての妊婦健診は妊娠20週目でしたが、その際にアメリカからのメディカルレコードが届いていなくてその2週間後にもう一度健診に行くことになりました。そこで、病院・バースセンター・自宅の3つの分娩場所の選択肢について説明を受けたので、その検診の内容について書きます。この記事は、
バースセンターってどんな場所?
無痛分娩ってどこでもできるの?無痛以外の分娩時の痛みの軽減方法は?
カナダの妊婦健診ってどんな感じ?
22週の検診内容
健診では、
- 問診(「なにか変わったことある?」)
- テキサスから送られたメディカルレコードの確認
- 血圧を測る
- 胎児の心拍数確認
- 子宮底長の測定
- 分娩場所の説明と病院とバースセンターへの登録の説明
- 来週行う妊娠糖尿病検査の説明
を行いました。
この日会ったのは、ケアコーディネーターのニコニコ系助産師。
1質問したら10答えてくれる
質問したら1秒で答えをくれる
答えが全部数字と一緒に話してくれて、「この処置の成功率はX%で、副作用が起こる確率はY%」全部覚えているのかと思うとすごい
めちゃめちゃしゃべる
英語はすごく聞き取りやすい
カナダで風疹(Rubella)の予防接種
1回目の健診のあと、テキサスで通っていた産婦人科に連絡してメディカルレコードを送ってもらっていました。この日は、送られたメディカルレコードの確認を助産師と行ったのですが、テキサスで行った血液検査の結果で「風疹の抗体がありません。」と当時の担当医から伝えられており、そのことについて助産師と確認しました。
日本では定期的に風疹が流行って予防接種が推奨されていますが、北米(アメリカ・カナダ)での風疹にかかるリスクはとても低いそうです。このウェブサイト(2ページめ”What are the risks?”)によると、カナダでは風疹は根絶されたと書かれています。
テキサスで診てもらっていた産婦人科医も助産師も、「風疹抗体がないことはそんなに心配しなくていい。出産後に予防接種を受けて」と言われただけで終わりました。実際に出産後、病院の看護師がMMRワクチンを持ってきて打ってくれました。
必ず毎回行う3種類の検査
前回の健診の記事でも書きましたが、血圧測定と胎児の心拍数確認と子宮底長の測定は毎回必ず行います。胎児の心拍数確認は胎児超音波ドップラーという、お腹に当てて胎児の心拍数を聞く機械で確認します。
胎児の正常な心拍は週数によって異なり、
妊娠週数 | 心拍数(毎分) |
妊娠 5~6 週頃 | 80bpm |
妊娠10~11週頃 | 170~180bpm |
妊娠16週頃 | 160bpm前後 |
妊娠末期 | 110~140bpm |
というように時期によってばらつきがあります。寝ているときは、心拍数が落ちる傾向にあるそうです。この平均の中に入っていれば、低いか高いかは胎児の健康には関係ないそうです。
助産師のクリニックでは出産場所が選べる
選べる出産場所
この日は、「出産場所について希望ある?」と聞かれ、病院への登録書類(Registration Packet)をもらって帰りました。ちなみに、選べる出産場所は自宅・病院・バースセンターで、それぞれの詳しい解説は初回に送られてくるWelcome Packageと呼ばれる書類の束に書いてありました。
もらった書類によると、
自宅 | バースセンター | 病院 | |
住所 | 自宅 | Cabbage Town近く
525 Dundas St E, Toronto, ON M5A 2B6 |
East York
825 Coxwell Ave, East York, ON M4C 3E7 |
痛みの軽減 | なし | 笑気ガス | 無痛麻酔 |
出産に立ち会う人 | 助産師 | 助産師 | 助産師+産婦人科医 |
出産のスタイル | ベッドの上など個人の家による | 好きな姿勢でフリースタイル(水中分娩可) | ベッドの上 |
などの大きな違いがあります。
どこで 産むかに関わらず、総合病院病院への患者登録は必要
私が行っていたクリニックではMichael Garron Hospitalと提携しており、その総合病院への患者登録が全員に義務付けられていました。妊娠20週以降、 このクリニックにかかっている患者は病院へ自分の情報を書いた患者登録書類を送ります。
ちなみにこの患者登録書類の中には自分の話す言語についての質問があり、日本語もその中に含まれていました。このウェブページを見ると、もしかしたら希望すれば通訳がついたのかも?
また、出産後に使うお部屋の希望も出せます。4人部屋から個室まで複数の選択肢がありますが、OHIPで カバーされるのは4人部屋だけのようです。2人部屋と個室は自分や会社で契約している保険(Private Insurance)でカバーされることもあるようです。その際には、患者登録の書類に、OHIP番号とは別にPrivate Insurancの番号も書かないといけません。
病院以外での出産は安全?
書類の中で強調されていたのは、病院とその他の場所(自宅やバースセンター) での出産も同様に安全であると言うことが 書かれていました。 またバースセンターで出産した場合は病院で出産した場合に比べて帝王切開になる確率が低いとも書かれていました。
※ただし 病院以外での出産を選ぶ人は妊娠経過に特に問題がなく、病院以外での出産を選べたと言うことも言えます。なので、一概にバースセンターを選ぶと病院よりも帝王切開の可能性が低くなる言うわけではないと思います。
また、バースセンターで出産を選んだ場合も緊急の場合や帝王切開が必要となった場合には病院へ搬送または移動され病院で産婦人科医の管理のもと出産することになります。実際に私もバースセンターに最初は行ったのですが、 途中で羊水混濁が見つかり自家用車で病院へ移動し病院で出産することになりました。
パーツセンターのツアーに参加した時に説明を受けた時は大体30%の妊婦が病院へ移動している事を教えてもらいました。 ちなみに、分娩中だけでなく、分娩後に処置が必要な場合も病院搬送になるので、この30%の人たちが陣痛の中で移動したわけではないようです。
私はこの30%という数字を聞いたとき、 結構高いなと思ったのですが、緊急搬送と言って緊急を要する理由で搬送された人はかなり少ないようなのでそこは安心できると思います。
私は出産の途中でバースセンターから病院移動し病院で出産しましたが、バースセンターで出産した後手当てが必要で病院に行く方もあるようです。 ちなみに私も含めて緊急でない場合は救急車で病院に行く事はありません。その場合は自家用車で病院へ行くことになります。
まとめ
私が出産した2022年はコロナ禍ということもあり、コロナ患者も受け入れる総合病院での出産にはやや不安がありました。そんな中で、 病院以外の選択肢がある助産院はとても心強かったです。
結果的にはバースセンターから病院へ移動して出産することにはなってしまったのですが、バースセンター自体はとても綺麗で設備も整っているのでオススメです!
- 助産師のクリニックでは病院以外に自宅やバースセンターでの出産を希望することもできる
- ただし、出産の最中や前後に問題が見つかった場合は、病院に移送されて産婦人科医の下で出産になる
- バースセンターでは、無痛分娩はできないが、笑気麻酔は使える
- バースセンターは2014年に開設した施設でとてもきれい